現在の住宅ではバリアフリー化が進んでおり、社会情勢や単純に人体への負担を考慮すれば住空間の進歩と言えます。

マンションリノベーションでのバリアフリーと言えば、水廻りの床を指す事が多いでしょう。

鉄筋コンクリート造のマンションでは、水廻りの住宅設備配管を床下に設置する必要があり、大きく2通りの方法で対応されます。

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段差スラブ

一つ目は予めコンクリートの構造体床下配管用の空間20cm程設けられている場合。これが床のバリアフリーになります。
このように予めコンクリートの構造体に、配管スペースとして20cm程度の空間が設けられている床を「段差スラブ」と呼びます。スラブとは英語で床、の事。配管用に床が段差状になっている=段差スラブです。

床上げ

一方、予めコンクリートの構造体に床下配管の空間が無い場合、コンクリートの構造体の上に新たに床を作り、その床とコンクリート構造体の間を配管スペースとして利用します。この場合は床に階段1段程の段差が出来るため、バリアフリーにはなりません。これを「床上げ」と呼びます。

高齢者や、年少者がいる場合はもちろん、日々の生活の中に段差があれば、その都度上り下りという動作が必要になるため、予めコンクリート構造体に床下配管スペースがある段差スラブのバリアフリーの方が強く望まれます。

今回のリノベーションでは、もともとコンクリート構造体にこの段差スラブが無く、床上げがされている部屋でした。もともとの構造体の問題であるため、はじめから割り切っていましたが、リノベーション後4ヶ月生活してみて、

むしろこの段差が心地良く感じるようになりました。

その理由を考えてみると、

___水廻り空間と部屋を、高さでゾーン分け出来る

人間が一まとまりの領域を認識する要素は数多くあり、最も単純なのは壁で仕切る事です。
同様に、空間の高さ切り替わる事でも領域を認識します。
これによって部屋に入る部屋から出るという事がより明確に感じられ、生活にメリハリが出る様になりました。

___身体経験としての上下運動

また僅か17cm程の段差ですが、身体が上下するという事自体が生活動線の中に変化を作り、部屋から水廻りへの移動にリズムが生まれます。

17cmの高さから見る部屋、そして外の風景が、視点が上下する事で、景色にも変化が生まれます。

この単純な身体の上下運動と、景色の変化。

どうしても必要だった水廻り段差が、空間に心地良い動きを作ってくれました。